「これまで保護施設で3000匹以上の猫を撮影してきましたが、同じ猫は2匹といません」とロンドンの猫保護施設の写真家、マージャン・デベベレさんはBBCに語った。「死にかけの猫や安楽死させられる猫が喉を鳴らすのを何度も見てきました。獣医は『猫は最期まで喉を鳴らしていました』などと言います。そして猫が喉を鳴らすと幸せだと人々は思い込みます。でもいつもそうとは限りません」
2000年代初頭、専門家は喉を鳴らすのにはこれ以外にも目的があるという仮説を立て、近年では喉を鳴らす行為についてさらに解明が進んでいます。
- 猫は生後数日で喉を鳴らし始め、それが母猫が自分の居場所を見つける助けになります。
- 猫は餌の時間だと人間を説得しようと、餌を食べる前に喉を鳴らします。
「研究者たちは『普通の喉鳴らし』と飼い主に餌をねだる喉鳴らしを録音した」と作家で猫の行動学の専門家であるセリア・ハッドン氏は言う。「猫を飼っていない人でも違いがわかる。普通の低い喉鳴らしの中には、ニャーという音に似た高周波の鳴き声があったのだ。」
- 猫は新しい環境を慎重に調べているときに喉を鳴らします。
- 猫は驚いたりストレスを感じたりした後に喉を鳴らすこともあります。
「喉を鳴らすことには、コミュニケーション、鎮静、治癒の効果があると考えられます」と、サンディエゴ動物愛護協会の獣医師兼最高経営責任者(CEO)のゲイリー・ワイツマン氏は言う。「猫にとって喉を鳴らすことは一般的に満足感を表しますが、緊張、恐怖、ストレスを表すこともあります。幸いなことに、喉を鳴らすことは前者の兆候である場合の方が多いのです。」
- 猫が喉をゴロゴロ鳴らすのは、ストレスを受けた後に自らを癒す方法です。
- 喉を鳴らすことは人間にとって大きな利益をもたらします。
「猫の喉を鳴らす音は、浜辺に打ち寄せる波を眺めているかのように、私たちを落ち着かせ、楽しませてくれます。私たちは猫の喉を鳴らす音に、心を落ち着かせる刺激として反応するのです」とワイツマン氏は言う。
出典: BBC